巨人の肩の上に登る

先人の積み重ねた発見に基づいて、なにかを発見しようとすることを指す。

自己表現が抑圧される社会で如何に創造性を発揮するか

韓国の小説家キム・ヨンハは「アーティストになろう、今すぐに」というテーマでTEDxSeoulに登壇しスピーチをした。我々は、生まれながらにアーティストであり、アートに対する欲求は消えたりしない。自信の経験と偉大な芸術家の作品から、自己表現が抑圧される社会の中で、如何に創造性を発揮するのか?、そうすることの意義は何か?を語った。


創造性が死ぬ瞬間

何か創造的な活動を始めようとしたときに、それをやめるための沢山の否定的な理由がでてくる。多くの人が次のエピソードに共感できるはず。

「公民館のクラスで演技を習ってみようかな」 とか 「カンツォーネを習いたい」というと「ふーん? 何のために?」と訊かれる。この「何のために?」というのが悪魔の呪文なのです。アートは何かのためにやるものではない。アートこそが究極のゴールです。


創造性を育む

アートは天才や修行を重ねたプロフェッショナルのものだけじゃないと語る。子どもの創造性の育みかたに、感銘を受けた。

「ママ! 帰り道に誰に合ったか分かる? 宇宙人だよ」 と子供に言われたら、普通の親は「やめなさい!」と応える。理想的な親はこんな風に応えるだろう 「本当?宇宙人がいたの? どんなだった?何かしゃべった? どこで会ったの?」 「えっと...スーパーの前だよ」こんな風に話をすれば、子供は次の展開をちゃんと考えなきゃいけなくなる。そうするうちに物語がどんどん発展していくのです 。
...
(中略)
...
この文をちょっと見てみましょう「ある朝、グレゴール・ザムザが気がかりな夢から目ざめたとき、自分がベッドの上で一匹の巨大な毒虫に変ってしまっているのに気づいた。」 カフカの「変身」の冒頭の1 文です。こんな有り得ない出だしなのに、それが説得力を持つように続けることでカフカは現代文学の名作を生み出しました。


創造性を発揮するコツ

作文の講義で、キムは学生に白紙とテーマを与える。ただし、狂ったように書け! と制約を課す。

狂ったように書けというのは、ゆっくり書くといろんなことを考えて、悪魔に隙を与えることになるから。悪魔はいくつもの理由を持ち出して、書くことを諦めさせようとする。 「みんなに笑われるよ」「下手くそだな!」 「変な文章!」「字が汚い!」 そういうことを次々に言う。この悪魔に捕まらないように、全力疾走しなきゃいけない。僕の授業でこれまで一番良かった作品は、じっくり取り組める長期間の課題ではなく 1 時間以下の短い時間に、僕の目の前で学生が鉛筆で書きなぐった文章だった。


Just do it

創造的であるために必要なこと。

1990年にモダンダンスの先駆者マーサ・グラハムが韓国を訪れた際、金浦空港に降り立った90代の偉大な芸術家に、記者たちが型どおりの質問をした。 「優れたダンサーになるために すべきことはありますか? 韓国のダンサーたちにアドバイスをお願いします」 。彼女の答えはこうだった 「just do it(とにかくやってみるのよ)」


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