巨人の肩の上に登る

先人の積み重ねた発見に基づいて、なにかを発見しようとすることを指す。

【書評】Think Simple―アップルを生みだす熱狂的哲学

2012年5月出版のケン・シーガル著「Think Simple―アップルを生みだす熱狂的哲学 」を読んだ. 何故2014年1月に突然読む気になったのかと言うと,Wantedly CEOの仲 暁子さんの下記の投稿に影響されたからです.
スタートアップをするときの必読書4まとめ

この記事には4冊の書籍が勧められていてます.

  1. 誰のためのデザイン?―認知科学者のデザイン原論 (新曜社認知科学選書)
  2. Think Simple―アップルを生みだす熱狂的哲学
  3. リーン・スタートアップ
  4. ビジョナリー・カンパニー 2 - 飛躍の法則

恥ずかしながら,このなかで「Think Simple―アップルを生みだす熱狂的哲学 」だけ全く聞いたことがなかったので,早速ぽちって読んでみました.

概要

本書は,スティーブ・ジョブズ,ひいては Apple社の哲学である”Think Simple”について,12年間ともに働いたクリエイティブ・ディレクターのケン・シーガルが書いたもの.

内容としては,下記の10個の哲学について章を割き,個々の哲学を裏付ける物語を述べているといったもの.
読み物としても非常に面白く,中だるみせず,最後まで読むことができました.

  1. Think Brutal 容赦なく伝える
  2. Think Small 少人数で取り組む
  3. Think Minimal ミニマルに徹する
  4. Think Motion 動かし続 ける
  5. Think Iconic イメージを利用する
  6. Think Phrasal フレーズを決める
  7. Think Casual カジュアルに話し合う
  8. Think Human 人間を中心にする
  9. Think Skeptic 不可能 を疑う
  10. Think War 戦いを挑む

最後の Conclusion に要点がまとまっています. それをさらに要約した記事がありましたので,そちらを参照して頂ければ概要は攫めると思います.
「Think Simple」—Appleが誇る「シンプル哲学」10の要素

ケン・シーガル自身が,マーケティング部門で働いていたこともあり,プロモーション動画・ポスター等について数多くふれているのですが,本書には画像等の視覚的情報がなかったので,Youtube 等で調べながら読み進めると良いと思います.

充分ではない時間

印象に残った部分ですが,今回は結構少なかったです(恐らくすでに10個哲学としてまとめられていたからだと思います).
p110 の Think Motion.プロジェクトのスケジューリングに関して,指揮者のレナード・バーンスタイン の考えを引用しています.

偉大なことをなし遂げるには、ふたつのことが必要だ。計画と充分ではない時間だ。

というのも,充分すぎる時間は,プロジェクトをめちゃくちゃにする最も簡単方法であるからです.なぜなら,時間が充分にあると,人々は見直しをしたり,手を加えたり,再考したり,新たにメンバーを入れたり,いそから意見を求めたり,テストを実施したりするから.

本書で言及されていた動画のまとめ

重たかったので,埋め込みは一つだけ.後はリンクです.

Apple (unreleased) Think Different ad - Narrated by Steve Jobs (1997)
Complete 66 Mac vs PC ads + Mac & PC WWDC Intro + Siri Intro
Apple COMPLETE iPod "Silhouette" ad campaign compilation (2004-2008)
iPhone Keynote 2007 Complete
Steve Jobs' 2005 Stanford Commencement Address


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